家を出る準備について

当時4歳の長女のことを守ると決意し、モラハラ夫の家を出る決意をしたのですが、

この時はまだ、モラハラ夫と長女の距離を離さなければならないとは思っていたものの、実際に離婚しようと決意をしていたわけではありませんでした。

家を出てみて、モラハラ夫がどのように変わるかを見て、戻るのか離婚するのかを決めるのでも遅くはないのかと考えていました。

 

以前から相談していた市の保健センターの職員の方からは、定期的に連絡があったので、家を出ることを考えていると話をしました。すると、シェルターの話が上がり、危険な目に合いそうならシェルターに入る方法もあると。

シェルターに入ると、外部との連絡は一切取れず、入っても数週間程度で新しい家を探し出ていかなければならないと聞いていたので、仕事を何週間も休み、事によっては仕事を辞めなければならないかもしれないことを考えると、子供二人を抱えて無職は年齢的考えても厳しいし、命の危険までは感じていないのに、職を失うリスクは大きすぎて、民間の賃貸住宅を自分で探すことにしました。

 

まず、何をしたかと言うと、私が休みの週末で、尚且つ、夫の仕事の日を選んで、子供達を連れて不動産仲介業者を訪ね、家探しです。

事情を話すと担当の方が親身になって話を聞いてくれ、物件探しはもちろん、契約に関わる連絡を全て電話ではなくメールにしてくれました。

纏まったお金も出せないので、初期費用のうちの清掃費、敷金等は、退去時に支払っても良いという条件で契約を進めてくれました。この時は、本当に感謝しました。

家探しに子供達を連れて行ってしまったので、うっかり夫の前で引越しのことを話してしまわないかドキドキでしたが、そこは何とか「バレたら引越しできないからね」と言い聞かせると、当時4歳の長女はわかってくれたようで、夫の前では話さなくなりました。当時1歳の次女はまだ言葉もうまく喋れない状態でしたので、あまりバレる心配はありませんでした。

 

この時は、離婚前なのでひとり親の経済的支援もないし、夫がお金をくれると言う保証もなかったので(本来なら婚姻期間中は婚姻費用を払う義務があります)離婚を決めかねていた私は、万が一また戻る事やこの先どうなるか分からないことを考えて、単身用の1LDKの賃貸住宅に3人で住むことにしました。

 

住む家は決まったけれど、家を出ることを夫に告げるべきなのかどうか、ここでも悩みました。

以前から、警察の「生活安全課」に相談していたこともあり、引っ越しの件も相談。

警察の方は、引っ越すことは告げないで引っ越すべきだと。

弁護士さんにも相談したところ、弁護士さんも夫には告げないで引っ越す方が良いと。

そして、配偶者暴力相談センターの方にも相談しましたが、そこでも告げないで引っ越した方が良いと言われました。まずは、その引越しを成功させた方が良いので、告げてしまうと引越しが出来ない可能性があるとのこと。

皆が同じことを言うので、告げようかどうかという迷いもなくなり、告げずに引っ越すことを決めました。

 

 

次に引越しの日時です。

 バレないように引っ越すには、夫の留守に終わらせなければなりません。

平日だと、仕事の途中で帰宅する事もあるかもしれないので、危険だと思い、夫が1泊で出張、そして帰りが遅い日を選びました。

引越し業者の手配は、自宅に来てもらって見積もってもらうことが出来ないので、電話で見積もりをしてもらったのですが、大手の引越し業者では事情を話すと断られたので、大手ではないけれど聞いたことはあるという規模の引越し業者に頼むことにしました。

引越しの事前準備も出来る状態ではなく、引越し日の前から段ボールを受け取ることもできません。なので、荷造りも全てお任せするプランで引越しをお願いすることにし、引越しの日までに荷造り以外の準備を進めました。

 

またすぐに引っ越すかもしれないので、家電を買わずレンタルで済ませ、最低限必要な物は、通販で着日指定をして手配。

 

弁護士さんからは、置き手紙をしていくようアドバイスを頂いたので、その通りに、夫婦関係を続けていくことが難しいこと、何か有れば弁護士さんを通じて欲しいことを書いてテーブルの必ず目のつく場所に置いて、家を出ました。

 

その時のことは、今思い出しでも緊張感や不安な気持ち、母として子供たちを守りたい気持ち、色んな気持ちがあり複雑でしたが、動き出した実感がありました。

後には戻れないし、これが進むべき方向への前進なのかもわからず動き出した、そんな感覚でしたから、自分の選択が正しいのかどうかという葛藤も何度も何度もありました。

ですが、家を出てから数か月後、保育園の保育士さんから「(長女が)子供らしく笑えるようになったよね」とか「ちゃんと自分の意見を言えるようになったよ」と長女の変化を伝えられました。しかも2、3人の保育士さんに言われたのです。私の選択は間違っていなかったと、思えた瞬間でした。何か少しだけ緊張が解けた瞬間でもありました。