DVの証拠集めと相談相手について

共依存

DV被害者と加害者は共依存のような関係なのかと考えたりもします。

被害者は、加害者に酷い事をされながらも、相手を許し、尽くす事で、それが相手への愛情だと感じてきます。逆に、加害者の方も人として犯罪者並みのことをするのですが、そんな自分を受け入れてくれる相手の事を失いたくないのです。実際、私が最初の離婚を決意した時、時、彼は泣いて何度も謝ってきました。手紙を書いてきました。私の父の前で、玄関のたたきで土下座をして見せました。DV男はこれくらいの事はします。それくらいしてでも、支配できる相手を失いたくないのです。

このように、被害者も加害者も、無意識のうちにお互いがなくてはならない存在だと言う価値を見出し、簡単には離れられない状況になっていくのだと思います。

 

証拠集め

では、暴力の日々の中にある結婚生活、そんな状況から、どうやって離婚できたかと言うと、まず、証拠を集め始めました。

離婚を決めてから集め始めた訳では無いのですが、結婚する前から、もしかしたら必要になる時が来るかもしれない…というのが、どこか頭の片隅にあったんだと思います。

暴言や罵声を浴びせられた時は、その日の手帳に内容など思い出せる限り詳しく書きました。そして、モノが飛んできて散らかった部屋は、バレないように写真を撮っておきました。殴られた跡のアザなども可能な限り写真を撮っておきました。太ももを何度も蹴られ、ちょっと酷い打撲を負った時には、彼の留守中に病院へ行き、診断者をもらいました。病院では、もちろん何故こうなったか聞かれましたが、言葉を濁し本当のことは伝えませんでしたが、お医者さんは気づいていたと思います。お医者さんは、「こんなにやられたら…」と言っていましたが、DVとわかった時点で通報しなければならないため、こちらの気持ちを汲んでくれたのか、それ以上は聞いてきませんでした。

診断書は、書いてもらうのに数千円かかってしまいますが、怪我の状態が自分で判断したものではなく、医者による正確な判断をしてもらえると思いますので、証拠を残すには、あると良いと思います。

私は最初の結婚では使わなかったのですが、ボイスレコーダーも証拠を残すのには有効だと思います。今は、スマホのアプリをインストールして簡単に音声を記録できますし、割と気づかれずに音声を残すことが出来ると思います。

これらの証拠は、取っておいて本当に良かったと思っています。のちに、「配偶者暴力相談センター」に相談するのですが、センターの職員の方がおっしゃってました。人は嫌な事を忘れていく生き物なので、被害者の方の中には、嫌な記憶を自分の中から排除し、どんな被害にあったか話せない人が居ると。センターの方が色々と質問しているうちに思い出して、少し話せるようになる人も少なくないそうです。

証拠は見返した時に辛いかもしれませんが、加害者が「暴力はしていない」と言ってしまえば、被害妄想だと思われる可能性もあります。真実を他者にわかってもらうためにも、自分がされた事を記憶するためにも、被害内容を記録しておくのは、とても大事だと思います。

 

誰かに相談する

証拠を集めたからと言って、自分一人で何とかしようとするのは危ないと思いますので、次は誰かに相談してみると良いと思います。

そんな私も、結婚後に彼が単身赴任で別居した時に、色々と考える時間が出来たのがきっかけで、相談する事が出来ましたが、ずっと一人で悩み続けていました。両親にも言えず、友達にも言えず、周りには幸せに暮らしているように振る舞っていましたので、自分のことを理解している人は誰もいない、、、そう思っていました。

なので、彼から暴力を受けた時には、殴られて痛い辛さより、孤独の辛さが大きく、ドラマや映画の暴力シーンでは感情が湧いてくる前に勝手に涙が出てくるほどでした。

誰かに相談できれば、そう言った孤独感も感じないで済むかもしれませんし、何より自分の気持ちの整理をするのに、話をするのがよても良いと思うのです。

私が、初めてこの件について話をしたのは、定期的に通っている美容室の女性の美容師さんでした。近すぎず遠すぎの関係にあったのが話しやすかったのかもしれません。

美容師さんは、自分の事のように、涙を流しながら話を聞いてくれ、気づけば私も一緒に泣きながら話してました。

 

私は、相談するなら、自分のことを責めずに聞いてくれる人が良いと思います。
「逃げなきゃダメ!」と言われると、言ってくれた人も悪気は全くないと思いますし、普通の人は何も思わないかもしれませんが、日々「お前が悪い!」と責められているような方だと、逃げていない自分が悪いと感じてしまうかもしれません。
もちろん、逃げた方が良いのですが、逃げられないのは、自分が悪いのではなく、逃げる事を諦めてしまう精神状態になっているからということもあるので、自分を責めずに聞いてもらえる人の方が、苦しんでる方にとっては、気持ちが楽になると思います。

自分の言葉で誰かに話すだけでも、思いや考えが整理され、自分がどうしたいのかも見えてきます。その場で解決方法が見つからなくても良いんです。理不尽に怒られたり責められたりする環境ではなく、少しでも普通の感覚を思い出せる環境に触れることが大事です。

私が実際に相談したのは、「配偶者暴力相談センター」という機関です。各自治体にあるのではないかと思います。

否定せずに、話を聞いてくれます。共感してくれます。凄く気持ちが楽になります。

私は、相手から受けた被害を手帳に書いていたので、書いてある事は話せたのですが、センターの方に質問されながら、ところどころ思い出しながら話せた事もいくつかあったのを記憶しています。

 

警察に相談するのも、自分の身を守るには良いのかと思いますが、私は、1回目の結婚ではそれは出来ませんでした。警察に相談していたら、彼は多分傷害罪で捕まったでしょう。何故か彼を犯罪者には出来なかったのです。

美容師さんへ話をしてから、「人に話しても良いことなんだ」ということに、やっと気づき、それから展開が早かったです。

もう今の結婚生活を続けるのは無理だと両親に話し、彼が単身赴任で留守の間に、必要な家具を運び出し、実家へ逃げました。そして、証拠を持って私の父と、彼の実家へ行ったのです。この時も彼の留守中でした。

彼の両親は、自分の息子の行動に驚いた様子で、言葉も出ないようでした。

証拠を見せただけで、もう諦めた様子で、私に対して「考え直してほしい」という言葉は少しもなかったと記憶しています。

とは言え、彼本人はそう簡単に「別れましょう」「はいそうですか」とはなりませんでした。

 

つづきは、また別に記事で書かせていただきたいと思います。

 

ではまた。