DV男との結婚
最初の結婚生活
1回目の結婚生活は、一年半で終わりました。
子供はいませんでした。
高校生の時に知り合い、10年間お友達、その後お付き合いをして4年半、結婚生活の長さの割には、長い間一緒に過ごした相手でした。
友達としては、気も合うし価値観も割と合う方だと思っていた相手でした。
お友達期間の間に、その4年半の間に、DVに気がつかなかったのか?と思われそうですが、それは気が付いていました。
気が付いていたというか、自分の身に起きている出来事が完全にDVだと分かって結婚しています。
正直言うと、「結婚するしか道はない」とDV被害者の感情にありがちな、諦めの感情を持っていたんだと思います。
もちろん、理由はそれだけではなく、いろいろな感情があり、前に進めない自分がいたのも事実です。
当時は、両親や友達、その他、誰にも相談できずにいました。
彼との生活から逃げる事は、私が幸せに暮らしていると思っている両親に対しショックを与え、裏切る行為だと思っていました。
今思えば、全くそんな事はなく、相談せずにDVの事実を隠し、自分の娘が一人で辛い思いをしていたことの方が、よっぽど両親にとっては辛い事だったと思います。
それと、逃げ切れる自信も無かったので、中途半端に逃げたらどうなるか考えると、恐怖で逃げる行為を選択出来ない自分もいましたし、もしかしたら、結婚したら変わるかも?という思いもゼロではなかったかもしれません。
色々な思いから、その場から逃げ出すという選択肢は取らなかったし、取れませんでした。
家の中のモノが飛んでくるのは当たり前です。
古新聞を紐で縛った重たいものまで飛んできました。
灰皿のような散らかるような物も、飲み物、テーブルの上に置いてあれば投げます。一度や二度ではありません。
そして、片づけはもちろん私です。放っておくと怒鳴られます。
首を絞められたり、包丁を持って追いかけられたり、突き飛ばされて頭から流血…。
投げつけられたモノが、ちょうど左ひじに当たってしまい、当たったところから流血、怪我をした箇所から白いモノが見えていましたが、病院など行けるわけもありません。1ヶ月位、肘を動かすのも痛かったです。
誰かが死なないと、この生活は終わらないのではないか、と考えた事もあります。
そんな状態での結婚なんて、今考えたらあり得ないのですが、
DVは加害者も被害者も正常な精神状態ではないですね。
日々、暴力を振るわれたり、罵声を浴びせられると、何が正しいのかも分からなくなり、自分の考えが普通なのかどうかも分からなくなります。
暴力を受けない日があると、「今日は良かったなぁ」と思うのです。
今ならハッキリ言えますが、暴力を受けないで過ごせるのが普通です。
彼と一緒にいた期間の数年は、週5は泣いて過ごしてました。
仕事をしていた私は、体に傷を負いながらも、会社を休む事はしませんでした。
人前に出なくなれば、彼からのDVがさらに酷くなると考えたからです。
会社に行っても、誰かが気づいてくれたわけではないですが、普通の人と話をしなければ、何が普通で何が異常かもわからなくなってしまいそうだったからです。
DVサイクル
最初から、諦めの精神状態だったわけではありません。
一般的に言われている、「緊張期」、「爆発期」、「ハネムーン期」のようなものはあったように思います。
最初は相手に対して、怒らせてしまったのは私が悪かったかな?くらいな感じでした。もちろん最初から手を出してくるわけでも無いですし。
次に、軽く手を出してきた相手に対して思ったことは、叩かれたのは、たまたまかな?とモヤモヤしながらもあまり深くは考えませんでした。
普通なら、この時点でサッと別れるべきなんでしょうけど、それでも一緒にいたのは、彼のストイックに努力して結果を出す姿が、私には持ち合わせていないものだと思っていたので、、自分には無いものを持っている必要な人だと、勝手に思い込んでいたからです。大きな勘違いでした。
当時は、いつも怒らせてしまうことに対して、どうしたら、上手くやっていけるのだろうと考えて、本を読んだりもしていました。
DV男相手に上手くやっていこうとしていたなんて、本当にどうかしてたと思います。
彼の方も、暴力の後は優しくなり、もうしないと謝ってきます。私が、もしかしたら?と期待をして許すと、また更にエスカレート。
これを繰り返すうちに、私は、その場を逃げる事を諦める様になったのです。
学習性無力感
なぜ逃げないのだろうと疑問に思われると思いますが、
有名なセリグマンの犬の実験がありますね。学習性無力感の実験です。
逃げられない状況で犬に電気ショックを与え続けた結果、
逃げられる状況になっても、犬は逃げることをしない、という実験です。(説明が簡単すぎてごめんなさい)
DV被害者は、これに似たような心理状況になる事が多いと思います。
私もそうでした。
いつでも逃げ出そうと思えば、誰かに相談しようと思えば、いずれもできない状況ではないはずなのですが、考えはしても、そのような行動は取れませんでした。
では、なぜそこから抜け出せたのか、まずは証拠集めをしました。
具体的にどうやって証拠を集めたかについては、別の記事で書かせていただきたいと思います。
ではまた。